令和6年度の年金額

令和6年4月からの年金額が厚生労働省から発表され、前年度から2.7%の引き上げになりました。

◆年金額の改定の方法

令和6年度は物価変動率が3.2%上昇、賃金変動率(名目手取り賃金変動率)が3.1%上昇となり、賃金変動率に令和6年度のマクロ経済スライドによる調整▲0.4%(被保険者数の変化率、平均余命の伸び率)が行われた結果、令和6年度は67歳までの方も68歳以上の方も前年度から2.7%の引き上げになりました。

平成12年の改正により、原則として賃金や物価の変動により年金額が改定され、67歳までの方の年金額は賃金変動率を用いて改定し、68歳以上の方の年金額は物価変動率を用いて改定することとなりました。

年金は現役世代が支払う保険料で支えているものの社会情勢の変化(現役世代の人口減と高齢者の人口増)により需要と供給のバランスが取れなくなってしまいました。

そこで平成16年の年金制度改正で、年金の給付水準を調整するしくみ「マクロ経済スライドによる調整」を導入し現役世代の負担を抑えるため、年金給付額の伸びが抑えられるようになったのです。

また、賃金が上昇し、物価変動率が賃金変動率を上回った場合は、67歳までの年金額だけでなく68歳以上の年金額も賃金変動率をもとに改定されることになっています。

なぜかというと、68歳以上の方は原則、物価変動率で改定する決まりはあっても、現役世代の賃金から支払われている保険料で支えていますから、これを上回る年金給付を行うと年金財政としてはマイナスになるからです。

そのため物価変動率が現役世代の賃金変動率を超える場合は、現役世代の賃金変動率にあわせて改定することになります。

さらに賃金変動率に令和6年度のマクロ経済スライドによる調整▲0.4%(被保険者数の変化率、平均余命の伸び率)が行われた結果、令和6年度は67歳までの方も68歳以上の方も前年度から2.7%の引き上げになりました。

年金改定率は毎年度改定され、その年の4月分からの変更になるので(振込される月は6月)以後から適用されます。


◆67歳までの方と68歳以上の方の年金額

令和6年度は、67歳までの方は前年度改定率1.018に1.027を乗じて1.045に、68歳以上の方は1.015に1.027を乗じた1.042になります。


<新規裁定者:67歳までの方>
●基礎年金(満額・障害基礎年金2級)
基本額:780,900円×1.045=816,000円(月額68,000円)

障害基礎年金1級:816,000円×1.25=1,020,000円(月額85,000円)

子の加算2人目まで:224,700円×1.045=234,800円

子加算3人目以後:74,900円×1.045=78,300円

●厚生年金
定額単価:1,628円×1.045=1,701円

加給年金額(配偶者・子2人目まで):224,700円×1.045=234,800円

加給年金額(子3人目以後):74,900円×1.045=78,300円

障害厚生年金の最低保障額・中高年齢の寡婦加算:816,000円×4分の3=621,000円

障害手当金の最低保障額:621,000円×2=1,224,000円


<既裁定者:68歳以上の方>
●基礎年金(満額・障害基礎年金2級)
基本額:780,900円×1.042=813,700円(月額67,808円)

障害基礎年金1級:813,700円×1.25=1,017,125円

子の加算2人目まで:224,700円×1.042=234,100円

子加算3人目以後:74,900円×1.042=78,000円

●厚生年金
定額単価:1,628円×1.042=1696円

加給年金額(配偶者・子2人目まで):224,700円×1.042=234,100円

加給年金額(子3人目以後):74,900円×1.042=78,000円

障害厚生年金の最低保障額・中高年齢の寡婦加算:813,700円×4分の3=610,300円

在職老齢年金の支給停止調整額:50万円

●年金生活者支援給付金
5,000円×令和5年度までの累計(1.028)×前年度物価変動率(1.032)=5,310円

●国民年金保険料
令和6年度16,980円から令和7年度は17,510円


詳細は厚生労働省HP:令和6年度の年金額改定についてお知らせ
http://nenkin-shaho.com/r/c/H5In/c2Fx/LPkv2/